ナオミという名♪
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「ナオミの夢」という歌があった。
1970年に世界歌謡祭でグランプリを獲得し、大ヒットした曲らしい。

♪ひとり見る夢は すばらしい君の 踊るその姿
 僕の胸に ナオミ ナオミ カムバック トゥ ミー♪

「ナオミ カムバック トゥ ミー」というフレーズが繰り返されるその歌をうたっていったのは、ヘドバとダビデという男女のデュオで、彼らはイスラエル人だった。
ヘドバは耳慣れない名前だけれど、ダビデは、旧約聖書にでてくるあのダビデ王に由来する名前だから「ああ、ユダヤ人だろうな」とすぐに推測がつく。そして、ナオミという、曲のタイトルになっている名も、このダビデと同様に旧約聖書に登場する名前だ。しかし、聖書にでてくるナオミという女性は、偉業を成した人物でもなければ、奇跡を起こした聖人でもない。「ルツ伝」の主役ルツの姑であるナオミは、とりたてて魅力ある人物には描かれていないのだ。人並みはずれた深い信仰心を持ち合わせ、嫁思いの優しい人物であることを除けば、ナオミはごくありふれた女性なのである。
それなのになぜ欧米の女性にはいまだにその名をいただく人が多いのだろうか。
それはおそらく、ナオミという名前の持つ意味が普遍的に愛されてきたからだろう。ヘブライ語でナオミは「幸せ」とか「和み」を意味する。
フランス語やドイツ語の聖書を見ると、ナオミはいずれも「幸せな(heureuse, glücklich)」と訳されている。ところが日本語の聖書では、不思議なことにナオミは、「快い」と翻訳されているのである。
聖書が日本語に翻訳される過程で、なぜ訳者は「幸せな」と訳さないで「快い」と訳したのだろうと考えていたとき、ナオミにはもう一つの意味があったことを思い出した。「和み」なら「快い」という意味により近いのではないか。人は自分が快いと思うとき和むのだから。
和み(平和)のあるところに人々の幸せはある。それはいつの時代の人にとっても究極的な願いである。その願いを託して、人々は娘たちにナオミの名を与えてきたのだろう。
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by naomi-monica | 2004-10-16 18:15
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